親のイライラは「愛」ではなく「支配」が原因
育児で「子どもが言うことを聞かない!」とイライラした時、その原因は子どもにあると思っていませんか?
元看護師・保健師パパである私は断言します。あなたのイライラは、子どもが悪いのではありません。それは、親が無意識に子どもを支配し、自分の思い通りに動かして安心したいだけという、親の都合(エゴ)が通らないことへの怒りです。
服従を求める姿勢は、実は危険な支配の第一歩です。
『犯罪心理学者は見た危ない子育て』にも警告されているように、親が強引に言うことを聞かせようとすると、子どもは「自分で考えて動けない子」になるリスクを負います。私たちは、子どもを支配するのか、一人の人間として信頼するのか、その二択から逃れることはできません。
1. 信頼の科学的な土台:エリクソンの「安心感」

なぜ「信頼」が重要なのでしょうか?それは、子どもが生まれてすぐの時期に身につける「人生の土台」だからです。
心理学者のエリクソンは、赤ちゃんが泣いた時にすぐにお世話をされる経験を通じて、「この世界は安心できる場所だ」という「基本的信頼感」を育むと説きました。
この「基本的信頼感」こそが、当ブログが大切にする「無条件の信頼」の土台です。
親が「私の言うことを聞け」と支配しようとすると、子どもはこの安心の土台を揺るがされ、「親は自分の意思を無視する存在だ」という不信感を植え付けてしまいます。
2. 「支配」と「信頼」の決定的な違い

あなたの日常の行動が、子どもとの関係を支配しているのか、信頼しているのかをチェックしましょう。
| 項目 | 支配(親の都合) | 信頼(子どもの成長) |
|---|---|---|
| 目標 | 親の勝手な期待や都合を優先させる。 | 子どもの自分でできる力(自発性)を伸ばす。 |
| 失敗への態度 | 失敗を恐れ、親が手伝う、先に口を出す(過保護)。 | 失敗しても見守り、そこから学ぶ力を信じる。 |
| 褒め方 | 結果を褒める(「よくできたね」)。 | プロセスをねぎらう(「頑張ってやりきったね」)。 |
| 関係性 | 子どもは親の顔色をうかがう。指示待ち人間になるリスク。 | 無条件の愛の中で、安心して挑戦する。 |
親が支配しようとすると、子どもは反抗するか、指示待ち人間になるか、の二択しか選べなくなります。これでは、自分で考えて行動できる力は育ちません。
3. 信頼を実践する親の4つの行動と最高の教育

信頼は抽象的な愛ではありません。それは、親の行動と態度で示すものです。親がすべきは「子どもへの介入を止めて、自分に介入する」ことです。
① 「どっちがいい?」と聞いたら、口を出さない
子どもに選択肢を与えたら、その結果がどうあれ、親が絶対に正解を押し付けないことです。この小さな自己決定の尊重が、自立への最初の一歩です。
(👉 [BLWで自己決定権を尊重する方法])
② 感情の模範を示す
親がイライラに直面した時、子どもに見える形で深呼吸をする、一旦部屋を出るなどのクールダウン行動を示します。癇癪を起こしそうな感情にどう向き合うかこそが、親が子に見せるべき最高の教育です。子どもは親が自己変革で困難を乗り越える姿を見て、感情をコントロールする方法を学びます。
③ 困った時に「助けを求める権限」を与える
親は常に見守り、手は出さない。子どもが「助けて」と求めてきた時だけ、専門家として冷静に手を貸します。これは、子どもに「自分には助けを求める権利がある」という安心感と「自分で解決できる力がある」という自律性を与えます。
(👉 DWE記事: [プロに任せる信頼の環境])
④ 【警告】過保護・無関心を避ける
過保護は、子どもが失敗から学ぶ問題解決能力を奪います。また、無関心は、子どもが世界に抱く愛の土台を壊します。親の愛情は、支配でも放置でもなく、「信頼」という名の見守りによってのみ伝わるのです。
4. 哲学の根拠:量子力学と「観測者効果」

「他人と過去は変えられない。変えられるのは自分と未来だけ。」
この哲学は、量子力学の有名な「観測者効果」に深く根差しています。
子どもを「親の言うことを聞かない、問題のある子」という視点で観測し続ければ、子どもの現実はその通りになります。しかし、親自身の意識を変え、「この子は必ず自分で立ち直る力を持っている」と信頼し、その姿を観測し続ければ、子どもの行動という現実は必ず変わります。
あなたがすべきことは、子どもを変えようとすることではなく、親自身の意識を「支配」から「信頼」へと変革する、ただそれだけなのです。
5. 結論:信頼は子どもの一生の財産

親からの無条件の信頼は、子どもに失敗を恐れず挑戦し、困難に立ち向かう力(レジリエンス)を育みます。
あなたが「支配」を手放し「信頼」に意識を変えること(観測者となること)で、子どもの行動という現実は必ず変わり始めます。
親が自己変革を果たし、「信頼」に焦点を合わせること。これが、あなた自身と子どもの未来を最も明るくする方法です。
【書籍紹介コーナー】
この哲学の根台となった書籍で、親の自己変革を始めましょう。
- 支配を手放す勇気: [嫌われる勇気]
- 危ない育児の境界線: [犯罪心理学者は見た危ない子育て]



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