「IKEAのトロファストは、子どものおもちゃ収納の定番だ」
我が家でも4歳と2歳の娘たちのためにトロファストを愛用しています。
しかし、ほとんどの家庭が知らない、そして世間とは真逆のルールがあります。それは、「トロファストのメンテナンスや衛生管理は、親ではなく、すべて子どもたちの仕事である」という哲学です。
僕たち夫婦のルールは、親が子どもの仕事を肩代わりしないこと。なぜなら、親がやっていては、子どもたちはいつまでも自立できないからです。
このブログでは、元看護師・2級塗装技能士という専門家の視点から、「安全」と「素材の知識」だけを提供し、あとは子どもたち自身に責任を持たせるための、究極のトロファスト活用術を公開します。
1. 塗装技能士パパの知識:子どもに伝えるべきトロファストの『材質特性』

塗装技能士の僕の役割は、「汚れたらどうなるか」というモノの真実を子どもたちに教え、「すぐに掃除すべき理由」を理解させることです。親が代わりに防汚スプレーをかける必要はありません。
知識①:樹脂ボックスの「汚れ定着」は材質の宿命
安価なプラスチック製ボックスは、細かな傷がつきやすく、ホコリやクレヨンの色素が一度入ると汚れが材質に定着しやすいという特性があります。
- 🛠️ 親が伝えるべきこと: 「このプラスチックは、時間が経つと汚れが取れなくなるよ。後で大変な思いをしないように、汚したらすぐに自分で拭くのが一番楽な方法だよ」と、自分の手間を減らすための合理性を教えます。
知識②:木製フレームの「ささくれ」は放置厳禁
木製フレームの角やエッジは、硬いおもちゃが当たったりすると木材がささくれやすいという宿命があります。
- 🛠️ 親がやるべきこと: ささくれは危険なので、親が気づいた時点ですぐにサンドペーパー(紙やすり)で削り、安全を確保します。その際、「あなたが乱暴に使った結果、ささくれができて危ない状態になった」と行動の結果を伝えます。
2. 元看護師パパの哲学:親の安心のための『環境設定』

安全管理は、子どもに任せられる部分と、親が責任を持つべき「環境設定」の部分があります。元看護師・保健師の僕の役割は、親が監視していなくても子どもが安全である環境を作ることです。
① 転倒リスクの知識提供と親の責任範囲
トロファストは倒れにくい構造ですが、「高いところに登ると危険である」という知識を子どもに教え込むのは、親の責任です。
- 💉 親の役割: トロファストの安定性を過信しないという知識を親が持ち、子どもがよじ登らないよう教えます。そして、家具配置を見直し、トロファストの周りで激しい動きをしないよう動線を整理することが、親の究極の安全対策です。
② 衛生管理は「拭き取りやすい環境」の提供
トロファストの底や角に溜まるホコリは、アレルギーの原因になります。親がやるべきは、掃除用品を手の届くところに配置するという環境設定です。
- 💉 親の役割: 子どもたちが自分で掃除ができるように、子どもサイズのミニほうきや拭き取りやすい布をトロファストの横に用意します。掃除そのものを子どもたちの「仕事」にするための準備です。
3. 自立を促す収納術:子どもにすべてを委ねる収納哲学
我が家でトロファストが最強の自立ツールとなっている最大の理由は、収納のすべて(配置、内容、ルール)を子どもたち自身に決定させるという哲学にあります。
哲学①:収納の「自己決定」を絶対的に尊重する
片付けを親の命令にしないために、「どこに何をしまうか」を子ども自身に決めさせ、その配置も尊重します。
- 方法: 「この収納ボックスのエリアは、すべてあなたたちがルールを決めていい」と決定権を委譲します。
- 効果: 自分で決めたルールだからこそ、子どもたちは自発的に片付けを仕事にするようになります。(→ 集中力/BLWの記事で、この自発性を育む哲学を詳しく解説しています)
哲学②:「エリア外は捨てる」という責任の明確化
片付けの習慣化を徹底するため、遊びのエリアと収納のルールを明確にリンクさせます。
- 我が家のルール: トロファストを起点とする「遊びのエリア」から遊び道具がはみ出したまま片付けられなかった場合、それは「もういらないもの」として捨てます(あるいは一時的に隠します)。
- 効果: この「捨てる」というシンプルな結果を体験することで、子どもたちは自分の行動に責任を持つという自律的な行動を学びます。(→ 片付け習慣の記事で、このルールの作り方を詳しく解説しています)
4. まとめ:トロファストは最高の『自立訓練ツール』
IKEAのトロファストは、単なる収納家具ではありません。それは、親の介入を排除し、子どもの自己決定と責任感を育む最高の『自立訓練ツール』です。
- 親の役割: 安全知識と素材の知識を提供するのみ。
- 子どもの役割: 汚れの掃除、収納のルール、遊びのエリア管理のすべてを行う。
あなたのトロファストを、今日から「親の手間を増やす家具」ではなく、「子どもの成長を促す教育ツール」に変えていきましょう。
【次に読むべき記事】
- 自立を促すルール: 子どもの自発的な片付け習慣を身につけさせる方法
- 自己決定の根源: 自立心と集中力を育む哲学
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